
つい色々買っちゃう「仕掛け」 IKEAのルームセットには隠された戦略があった!
イケアに行くと目的のもの以外にも、つい色々なものを買ってしまったという経験はありませんか。イケアではおなじみの、部屋をまるごとイケアの商品でコーディネートした「ルームセット」。ここに、お客さんが買いたくなってしまう2つの戦略が隠されています。
戦略① 地域徹底調査
イケアのルームセットは、ただ商品をおしゃれにコーディネートしているだけではありません。店舗ごとにお客さんの要望や特徴に合わせたルームセットを作っています。
お客さんの悩みや要望を知るために行われているのが、ホームビジット。スタッフが年間100軒以上の一般家庭を訪問して聞き取り調査をし、そこから得られたデータをもとにルームセットを作成しています。

たとえば、高層マンションが多い地域にあるTokyo-Bayのイケアでは、収納の少なさやレイアウトに悩む人が多いので、ソファの後ろに収納を設置したリビングのルームセットを展示。

2人以上の子どもを持つ家庭が多い地域にある新三郷のイケアでは、2段ベッドを入れた子ども部屋のルームセットを展示しています。

店舗ごとに訪れるお客さんのニーズをしっかりつかんでいるため、お客さんはルームセットを見るとつい商品を手に取り、欲しくなってしまうというわけです。
戦略② 2通りのルームセット
ルームセットには、同じ層をターゲットとしていても価格帯が全く異なるセットがあります。
“20代女性のひとり暮らし”を想定したルームセットを例に挙げると、家具一式で約6万円の現実的な部屋と、約20万円の夢の部屋の2通り。

なぜ「現実的な部屋」と「夢の部屋」があるかというと、イケアに来店する人の中には家のコーディネートに自信がないので真似しやすい部屋を見たいという人と、逆に部屋づくりに強い興味があり夢の部屋を見たいという人がいるからです。
ルームセットはイケアの独自調査により、現実的が8・夢を2の割合で設置しています。
お客さんを引き寄せる配置の工夫
現実と夢の2つのルームセットは、その配置も考え抜かれています。夢の部屋があるのは、目につきやすい入り口や通路の突き当たり。

これは、目につく売り場に引き寄せられてお客さんが自然と奥へ進んでいく“マグネット効果”を利用。奥にある夢の部屋に引き寄せられる過程で、途中にある現実的な部屋も見てもらうことを狙っています。

夢の部屋の配置によって、フロア全体の売り上げがアップ。ルームセットに置くことで売り上げが2倍になった家具もあります。
ルームセットに「ついつい買いたくさせる」戦略があったとは驚きですね。
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坂上&指原のつぶれない店
(TBS系列:日曜よる7時~)