
外国人スタッフも3週間で一人前に⁉ 家事代行サービスの新人研修がすごい!
共働き世代の増加でニーズが増えている家事代行サービス。近年では、外国人スタッフも目にするようになってきました。
そんな外国人スタッフを3週間で一人前にする、大手家事代行サービス「ベアーズ」の新人研修の現場に『BACKSTAGE』が密着。想像以上に細かい指導と厳しいテストで、サービスのプロが育て上げられていました。
まずは日本の礼儀作法を指導
新人研修を受けるのは、日本に来るのが初めてというフィリピン人女性たち。

日本語はもちろん、日本の生活自体が初めての体験。まずは家事のやり方ではなく、日本の礼儀作法から指導していきます。
まずはお家への上がり方。靴の脱ぎ方は「前を向いて入り、横を向いて膝を折り、靴をそろえる」「お邪魔いたしますと挨拶して家に上がる」など、一つ一つの立ち居振る舞いを細かく伝えます。

玄関のドアが引き戸の場合は、“引き戸のどこを持ってどうやって閉めるか”などの日本の作法も伝授。訪ねるお家の方と自分自身も緊張しないように、「スマイル」で応対することの大切さも伝えていきます。
掃除の仕方にも「日本式マナー」
礼儀作法の次は、いよいよ掃除の仕方を詳しく指導。
日本特有の「魚焼きグリル」の取り外し方や、浴槽の排水溝のフィルター構造の説明など、漏れなく教えていきます。

また、掃除における「日本式マナー」も大切なポイント。
- キッチンでは「お掃除用と皿洗い用のスポンジは必ず使い分ける」
- お風呂場では「掃除用スプレーの噴射口は壁の方を向けて置く」
- リビングでは「物を動かす時は床に傷がつかないように、持ち上げて移動する」
ユーザーが一瞬でも不快に感じないよう指導していきます。

フィリピン文化では「OK」でも日本文化では「NG」ということを、ただ「ダメだから」と注意するのではなく、背景や理由をしっかりと説明することできちんと理解してもらいます。
実践テストで習得度をチェック
3週間の研修期間の最後に待っているのは、実際にカスタマー宅に行き家事代行をする「モニターテスト」。合格すれば、一人前のメンバーとして家事代行デビューできます。

テストは、新人スタッフが2人一組となり、自分たちで地図を見て現場に行くところから始まります。
テストにおける主なチェック項目は「日本語やマナー」「手際や時間配分」「状況による対応力」の3つですが、「名刺を相手から見て名前が読めるように渡す」「贈り物は辞退する(ただし失礼にならないよう断るのは2回まで)」など日本的な空気を読む項目もあります。
1日に2度行われるテストでは、1回目の終了後に結果を厳しくフィードバック。2回目で改善されるかをチェックします。

特に、依頼された仕事を時間内に終えるためのタイムマネジメントのスキルや作業のスピードは、テストに合格した後も磨いていくように指導します。
新人スタッフが認められる喜び
この一連の外国人スタッフ新人研修をたった一人で担当するのがベアーズの佐藤さん。
日本語のままならない新人スタッフたちに、英語と日本語を織り交ぜ、分かりやすいようにジェスチャーも使いながら、粘り強く指導していきます。

「日本人が当たり前だと思っていることが、フィリピン人女性たちにとっては初めてのこと」と外国人スタッフに教える難しさを感じながらも、“スタッフの仕事ぶりが認められた瞬間”が一番嬉しいと言います。

「フィリピンの人はたとえ失敗しても切り替えが早い。自身に悩みがあるときは気遣ってくれたりと、元気をもらえる」と頼もしい笑顔で明かしてくれました。
知られざる舞台裏の物語
BACKSTAGE
(CBCテレビ:日曜よる11時30分~)