
まどか、たくましく成長中!研修医生活1年目で同期、先輩医師、そして患者から学んだこととは『まどか26歳、研修医やってます!』
TBSで放送中の火曜ドラマ『まどか26歳、研修医やってます!』では、芳根京子演じる主人公・若月まどかが働き方改革で変わりゆく医療現場に戸惑いながらも、同期の仲間たちと励まし合いながら成長していく姿を描いている。“お医者さんだって、幸せになりたい!”と願うまどかは、医師として女子として、どう2年間の研修医生活を過ごすのか。
清桜総合病院での勤務が始まり、“スーパーローテーション”と呼ばれる仕組みのもと、まどかと同期の研修医、尾崎千冬(髙橋ひかる)、五十嵐翔(大西流星)、桃木健斗(吉村界人)、横川萌(小西桜子)の5人は研修中。1年目は落ち込みと喜びの連続で、優秀な指導医のもと、5人はどんな経験を積んできたのだろう。いよいよ研修医生活2年目に突入する彼らのこれまでの歩みを振り返る。
凹む出来事が連続――研修1科目の消化器外科でまどかを奮起させた出来事とは

子どもの頃に見ていた人形劇に出てくる天才外科医・ドクターK(アザラシ/CV:大塚明夫)に憧れ、医師を志したまどか。さっそく医局へ向かうと先輩医師たちから「来ましたよ、今年のお客様が」と揶揄する発言が…。研修医の勤務時間は朝9時から夕方5時までという原則があり、“令和の研修医はお客様”だと受け止められていたのだ。

まどかの初めての配属先は消化器外科。ベテラン医師・西山正樹(赤堀雅秋)やストイックかつクールな菅野尊(鈴木伸之)らの指導のもと、まどかはさまざまな経験をすることに。
初めて担当した入院患者・湯川茜(田中真弓)から腰の痛みを訴えられる。そこでまどかは菅野に相談しようと提案するも「寝違えただけだから大丈夫」という本人の言葉を聞き、悩みながらもカルテの引き継ぎをせずに、その日の仕事を終えた。ところが翌日、湯川の容態は急変。一刻を争う事態となり、西山に「お前はまだ医者じゃない」と叱責される。落ち込むまどかに「逃げずに向き合うんだ」と声をかけた菅野は、共に湯川の病室へ。「いいお医者さんになってね、約束よ」と湯川に笑顔を向けられ、心が折れかけたまどかは再び前を向いた。

また、まどかは資料を覚えて挑むことがルールのカンファレンスの準備を忘れ、救命救急センター長の城崎智也(佐藤隆太)ら先輩医師たちに吊し上げられる。さらに、消化器外科の親睦飲み会では、西山から「俺たちの時代は~」と根性論を展開されドン引き。しかし、院内でサーバートラブルがあった際、全ての患者のカルテ情報を頭に叩き込んでいる西山らの対応力を見て、まどかは「この人たちとは初めから土俵が違うのかもしれない」と打ちのめされる。

それでも、まどかは同期たちの助けを借りて挑んだカンファレンスでリベンジを果たしたり、西山に指名されて執刀医として手術を経験したりと、少しずつたくましさを身に着けていく。

緩和ケア、死亡宣告を通してまどかが気づいたこと

2科目は消化器内科へ。ここでも指導医の手塚冴子(木村多江)は手厳しく、プレッシャーを感じたまどかはトイレに駆け込む始末…。

そんなある日、まどかは彼氏の砂田直人(渡邊圭祐)とデートへ。横浜DeNAベイスターズ推しという共通の趣味を持つ砂田とは、仕事の愚痴をこぼして雰囲気が悪くなったこともあるが、この日は「どんな家に住みたい?」と聞かれる。砂田の意図がつかめず困惑したまどかは寮に帰ると千冬や萌に相談。「それは遠回しに“結婚しよう”と言われてるんじゃない?」と冷やかされるが、砂田の真意は果たして…。

腹痛を訴え来院した中山勇人(小久保寿人)の診察に立ち会うまどか。診察を受けた中山は進行の速いスキルス胃がんと診断を受け、余命は長くても2~3カ月と告知されてしまう。彼の「死にたくない」という言葉にまどかは「何も答えられなかった」と肩を落とす。同じ頃、まどかは桃木と衝突。「患者さんと向き合うことがどういうことが分かってるの?」(まどか)、「お前は分かってるの?」(桃木)と言い合いになり、「分からないから苦しいんだよ」とまどかが苦しい胸の内を吐き出すひと幕も。

時は残酷に過ぎ、中山は抗がん治療から緩和ケアに切り替えることに。「自分にできることは何だろう」と考えたまどかは、中山のもとをたくさん訪れることを決める。そしてついに最期の時が…。中山の心拍と呼吸が止まり、冴子の指示で中山の妻・美波(田畑智子)ら家族に死亡宣告。家族のやりとりに、こらえきれなくなったまどかは「何もできなかった…」と涙する。

その夜、冴子に誘われ飲みに出かけたまどか。途中で冴子といつも言い合いをしている西山が合流、意外と仲がいい2人に面を食う。実は冴子と西山は同期。「くじけそうになった時、助けてくれるのが同期」と話す冴子の言葉が胸に沁みたまどかは、寮に戻って桃木と和解。そんな中、五十嵐がつぼみの刺しゅうが縫い込まれている自作のワッペンを4人に差し出す。つぼみは研修医の印──五十嵐の思いが込もったワッペンは、同期の心を結ぶ象徴として、彼らのユニフォームに輝くことになった。

泌尿器科の“神”から学ぶ、患者と向き合うことの大切さ

3科目は泌尿器科へ。泌尿器科を国内トップクラスに押し上げた診察部長・角田茂司(奥田瑛二)は“神”と医師たちから尊敬される。そんな角田の指導のもと、研修に励むまどかの姿が描かれた。
男性患者が多く、女性医師はあまりいない泌尿器科で、まどかは患者からのセクハラまがいの発言に辟易する。そんなある日、外資系の金融コンサルとして働くキャリアウーマンの成田友梨(佐々木希)が診察に訪れる。血尿や外陰部のかゆみを訴えるため検査をすると、ステージ2の膀胱がんと診断。入院が必要になり、仕事を気にする友梨は浮かない顔を見せる。「お困りのことがあったらいつでも言ってください」とまどかが明るく声をかけるも「そういうの大丈夫なんで」とかわされてしまう。

さらに、友梨にストマ(手術により腹部に作られる便や尿の排出口で、人工肛門、人工膀胱の種類がある)を薦めるも話を聞いてもらえず落ち込む。そんなまどかに角田は自身の経験から得た「患者さんにドラマを作る」という心得を話す。日々、患者と遊んだり話を聞いたりしている角田だが、その行動は闘病の日々を送る患者に刺激を与えてあげたいという思いからだったのだ。

角田の真意に気づいたまどかは、友梨への向き合い方を一考。偶然、彼女がプロレスファンであると知り、病室で一緒に観戦しようと提案する。そして、病気から復活した推しの選手の倒れても立ち上がる姿に勇気づけられた友梨は、手術を受ける決意する。角田に報告に行くと、まどかは角田が10年という長い期間、患者の記録を書き続けているノートの存在を知り、「やっぱりこの人は…神だ」とつぶやいた。

泌尿器科での研修にも慣れ始めた頃、まどかは砂田と会うことに。実は、一緒に行けなかったベイスターズ戦の試合中継で画面に映し出された砂田が、スタンドで見知らぬ女性と観戦している姿を見てしまい、モヤモヤを抱えていたのだ。砂田に思いをぶつけると、その女性は妹であることが判明。まどかは公私ともに自分らしく進んでいく。
カリスマ救命救急医のもとでチーム医療を学んだまどかの価値観が変化

まどかにとって4科目の研修先は、城崎がセンター長を務める救命救急センター。これまでの科とは違う救急センターならでは慌ただしさに、まどかと千冬はあ然。一刻を争う現場にあてられたのか、まどかはこれまでできていたルート確保(血管選び)ができなくなってしまう。落ち込むまどかに、菅野は「それは救命あるあるだよ」と言い、自分も“点滴スランプ”に陥ったことがあると励ます。

この頃、まどかたちのスーパーローテーションは9カ月目に入っていて、同期の個性や背景も見えてきた。家族が医師という同じ境遇の桃木と五十嵐にはそれぞれ背負うものがあり、貧しい家庭で育った千冬は親に楽をさせたいと医師を志したことが分かった。“美は人を救う”がポリシーの萌は、自身のコンプレックスを解決してくれた皮膚科医に感銘を受け、医師を目指している。そんな彼らを見て、自分はどうなりたいか…まどかは目標を決められないでいた。

当直に入っていたクリスマス、救急搬送されてきた患者の中に砂田を見つけて驚くまどか。まどかに会えない寂しさから酒を飲み、酔っぱらって階段から転げ落ちたのだという。懸命に働くまどかの姿を目の当たりにした砂田は複雑そうな表情を見せ──治療を終えて病院を出る時、まさかのお別れ宣言! まどかと自分は進む世界が違うからという理由に「私、フラれたの?」とあっけにとられる。

ある日、再び入院することになったベテラン患者の橋口健太(森田哲矢)から先輩医師・榎本とら(菅野莉央)が菅野の元カノだと聞いたまどか。そんな榎本と共に処置にあたるが、連携が上手くいかず、足手まといになってしまう。その様子を見ていた城崎は、残りの救命救急ローテの間に医療現場における“チーム”の意味を考えるよう、まどかに檄を飛ばす。

だが、その後もまどかは榎本の意図を汲み取れず、叱責されるばかり。その愚痴を聞いてもらおうと同期や菅野に声をかけるが、なぜかよそよそしい態度を取られてしまう。孤独を感じるまどかに、城崎は早朝の病院のロビーにくるように促すと、そこでは病院関係者が職域を問わず大勢集まっており、情報交換を行っていた。

その頃、教え子の見舞いに病院を訪れた小学校教師の園田麻衣(柳美稀)が腹痛で救急搬送される。城崎は“チーム”の大切さに気づいたまどかをリーダーに指名。榎本と共に処置にあたったまどかは、各科と連携を取り、診断が難しいとされる“正中弓状靭帯圧迫症候群”だと診断、手術までこぎつけることに成功する。

救命救急での研修が間もなく終了。城崎に「救命での学びは全てにつながる」と励まされる。寮に戻ると、菅野や先輩研修医、同期たちがまどかに誕生日サプライズ。あまりの忙しさにまどかは自身の誕生日を忘れていたが、仲間の励ましに大感激するのだった。1つ年を重ねたまどかの次なる研修先は精神科。スーパーローテーションの日々はまだ続く──。

芳根演じるまどかの表情はくるくるとよく変わる。その顔は、心なしか、回を重ねるにつれだんだんとたくましく自信に満ちていくように見える。いよいよ研修生活も2年目を迎えるが、果たして5人はどんな成長を遂げるのか。そしてまどかはどの科を選択するのか物語後半も見守っていきたい。
■番組概要
[タイトル]
火曜ドラマ『まどか26歳、研修医やってます!』
[放送日時]
毎週火曜よる10時~10時57分