撮影用語も覚えちゃう!?西園寺さんの愛犬・リキのドッグトレーナーに聞く撮影裏話『西園寺さんは家事をしない』

撮影用語も覚えちゃう!?西園寺さんの愛犬・リキのドッグトレーナーに聞く撮影裏話『西園寺さんは家事をしない』

TBSでは、火曜ドラマ『西園寺さんは家事をしない』が放送中。原作は『ホタルノヒカリ』などを手掛けた人気漫画家・ひうらさとるによる同名コミック(講談社「BE・LOVE」連載)。徹底して家事をしない主人公・西園寺一妃(松本若菜)と年下の訳ありシングルファーザー・楠見俊直(松村北斗)&その娘・ルカ(倉田瑛茉)の風変わりな同居生活を通して「幸せって何? 家族って何?」を考えるハートフルラブコメディだ。

本作では、ルカと西園寺さんの愛犬・リキのコンビにも注目が集まり、SNSでも多くの反響が集まっている。リキを演じるのは、お芝居だけではなく、ディスク(人が投げたフライングディスクを犬が追いかけ、地上や空中でキャッチする)の大会で優勝を果たすなど輝かしい功績を持つ暖(だん)くんだ。本作が連続ドラマ初出演となる暖くんだが、撮影現場ではどのように過ごしているのだろうか。気になる疑問を湘南動物プロダクションのアニマルトレーナー・藤澤七望氏と石田日菜子氏にぶつけてみた。

「終わりだよ!」をしっかり理解!松村北斗との変わった遊びに大満足!?

『西園寺さんは家事をしない』よりリキくん

――暖くんのプロフィールを教えてください

藤澤 暖は5歳の男の子で、人と遊ぶのが大好きなやんちゃな性格です。暖は私の大学時代からの飼い犬。インターン中に会社の保護猫だった海を暖の兄弟として迎え入れ、2匹と一緒に入社して活動を始めました。

――出演後の反響はいかがですか?

藤澤 SNSなどで多くの反響をいただいてうれしい限りです。ルカ役の瑛茉ちゃんとの映像がとてもかわいくて私自身も癒やされています。特に第1話で寝っ転がったルカに「リキ何しているの?」と言われるシーンでは、撮影の時からスタッフさんからも絶賛のコメントをいただきました。撮影が始まったばかりだったので緊張していたと思うのですが、瑛茉ちゃんがいい感じに話しかけてくれたおかげで素敵な距離感をお見せできたと思います。

――撮影現場ではどのように過ごしていますか?

石田 スタジオの一部に暖スペースがあって、そこに設置したケージの中で落ち着いて休憩したり、キャスト&スタッフの皆さんが遊びに来てくれるので、その時にたくさん触ってもらってリラックスしています。瑛茉ちゃんもよく遊びに来てくれるのですが、小さい子どもだと認識できるようで、勢いよく近寄らないように優しく接していますね。

『西園寺さんは家事をしない』より

――好きな遊びは何ですか?

藤澤 基本的に“持ってくる系”の遊びが大好きです。その辺にあるものを適当に持ってきて、「投げて遊んで!」と要求されることも。引っ張り合いっこも大好きなのですが、離さないと次の遊びがないことを理解しているので、誰と遊んでいても「離して」「終わりだよ」と言うと、ちゃんと指示を聞いています。

――他にどのような遊びをされているのでしょうか?

石田 松村さんが、暖に話しかけながら猫じゃらしで暖の首を縦横に動かして相槌を打たせるオリジナルの遊びをしてくださっていました(笑)。そうやって普段の遊びと違うことをしてもらえると飽きないですし、本人もすごく楽しそうにしていたのが印象に残っています。

西園寺さんのことが大好きすぎて…! お芝居では飼い主も見たことない表情を見せる

『西園寺さんは家事をしない』より秘密部屋

――西園寺さんが溺愛している犬という設定ですが、松本さんとはどのように距離を縮められていましたか?

藤澤 松本さんが撮影初日から休憩時間に暖のところへ来て撫でたり、おもちゃで遊んだりしてくれました。現場で暖の前を通る度に声を掛けてくれるので、暖もすぐに“遊んで触ってくれる人”と覚えることができていました。最近では、会うとはしゃいで、飛びつきに行くぐらいの勢いで(笑)。もともと人懐っこいのですが、基本的にはどこか一線を引いている感じがあるので、ここまで無邪気に好きという仕草を振りまくのは珍しいと思います。

――撮影はどのように進んでいますか?

石田 基本的に撮影現場で指示をもらうかたちで撮影に臨んでいます。定位置にスタンバイしている演技であれば簡単なのですが、例えば第6話の家族会議の時にルカとリビングを走るようなシーンは難しいので、事前に練習をさせていただくことも。最初はアドリブで動いて、「本番でも同じように動いてほしい」とリクエストされた場合は、それに応えられるように私たちが本番で動きを引き出します。

――具体的にはどのように指示を出されていたのでしょうか?

石田 最初はとりあえずやってみようという精神で! その時は瑛茉ちゃんが持っているおもちゃを見せてくれたので、それに興味を示してすんなり一緒に走ってくれました。結果的にテンションが上がりすぎちゃって、そのままソファの背を飛び越えて松村さんの隣まで行ってしまったNGテイクも(笑)。スタッフさんがいつも臨機応変に対応してくださるので、とても助けられています。

『西園寺さんは家事をしない』より

――本作の撮影で新たに覚えたことはありますか?

藤澤 本作で初めていろいろな表情を見せてくれるようになりました。実は、暖は撮影のお仕事以外でディスクの大会に出場しているのです。なので、私の指示を汲み取るための集中力が鍛えられていて、普段はグッと引き締まった顔をよく見ているのですが、今回の松本さんとの撮影や対話のおかげでさらに驚くほど表情が豊かになったなと感じています。

――特に印象に残っている表情はありますか?

藤澤 第3話で肩のシールを取ってくれた楠見との距離感にドキッとした西園寺さんが、「これは恋じゃないよ」と、リキに弁明していた時の表情。疑いの目を向ける演技だったのですが、今までに見たことがない顔をしていて驚きました。

『西園寺さんは家事をしない』より

――本作のお芝居の中で一番難しかった技は?

石田 ワンカットの撮影で、一度カメラの外の指示位置にはけてから、私のところに戻ってきて、特定のタイミングで吠えてほしいと言われた演技は難しかったですね。ルカがセリフを言ったら吠えてほしいというタイミングも読みづらい撮影だったので。

藤澤 もともと無駄吠えしないように教えていたので、その場で動かずに連続で吠えるシーンは苦労するシーンの1つ。「なんで今度は吠えろって言うの?」という反応をするのに加えて、体を動かして勢いをつけて力まないと声が出ないみたいで(笑)。その時は目印から出ないようにして、動かずに吠える練習をしました。吠えるという技は実は難易度が高くて、特に慣れていない場所で急に吠えてと言ってもなかなかできないものなんです。

カチンコが好きすぎて…暖くんが覚えた撮影用語

『西園寺さんは家事をしない』より

――撮影を通して気付いた、暖くんの新たな一面を教えてください。

藤澤 本作の撮影を通して、カチンコが大好きになりました。カチンコのためにお芝居しているみたいなところもあるかも(笑)。誰が鳴らすかも理解しているみたいで、本番中に助監督さんを探してカットが掛かった瞬間に私たちを振り切ってまで走っていきます。

石田 そうそう(笑)。撮影では「ボールド」という言葉を覚えたうえに、それを言った人がカチンコを持っていることも理解してしまって。言葉を変えて「本番」「テスト」にしてもすぐに覚えてしまうので、暖がいる時は言わないようにしてもらったり、英語にしてもらったりと試行錯誤しています。

――かわいいハプニングですね(笑)。

藤澤 他にも、しゃがんだ人の背中におんぶしてもらうように乗っかる技があるのですが、たまたま助監督さんがしゃがんだタイミングで勘違いして乗っかってしまったことがありました(笑)。助監督さんも驚きながらもそのまま背負ってくださったのですが、そういった技があることにびっくりしていました。本当に大好きな人にしかやらないので、相当懐いているんだと思います。

石田 キャストの皆さんのことも大好きなので、自宅にいる時にSNSのメイキング動画から流れる松本さんと松村さんの声に反応していることがありました。「ここは家なのになんで2人の声がするの?」と不思議そうな顔で。それほど現場の皆さんと親しくなれているのだなと実感しています。

――最後に視聴者へのメッセージをお願いいたします。

藤澤 後半に向けて大人たちの感情の動きがフューチャーされていきますが、その一方で映る暖の細かな表情やルカとの絡みも注目していただけたらうれしいです!

『西園寺さんは家事をしない』より

西園寺さんのことがとにかく大好きなリキも、“偽家族”の大切な一員。毎週火曜に癒やしを届けてくれる暖くんのお芝居からも目が離せない。

■番組概要
[タイトル]
火曜ドラマ『西園寺さんは家事をしない』
[放送日時]
毎週火曜よる10時~10時57分

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