日本ドラマ初出演のキム・ムジュンを奮い立たせた “温かい現場”への感謝

日本ドラマ初出演のキム・ムジュンを奮い立たせた “温かい現場”への感謝

現在放送中の日曜劇場『ブラックペアン シーズン2』は、主人公の医師が渡海征司郎から天城雪彦に変わったほかは、多くの登場人物が6年前に放送された前作『ブラックペアン』に続いて登場している。そんななか、天城のほかに新たに物語に加わった人物の1人が、韓国の病院で働く研修医のパク・ミンジェだ。彼は第1話で母親・ソヒョン(演・チェ・ジウ)の難しい心臓手術を成功させた天城の天才的な技術に感銘を受け、研修医制度を利用し、天城が赴任することになった東城大学医学部付属病院へとやって来る。第2話からは、東城大の研修医としてレギュラー出演している。

そんな、異国の地で奮闘する若き研修医を演じる韓国人俳優のキム・ムジュンさんは、1998年5月24日生まれの26歳。2020年にウェブドラマ『New Learn』でデビューし、2023年には大ヒット時代劇『恋人 ~あの日聞いた花の咲く音~』でMBC演技大賞・新人賞を受賞した。自国で着々とキャリアを積んでいる彼にとって、『ブラックペアン シーズン2』は初めての日本ドラマ出演。単身日本にやって来て、夢に向かって奮闘するミンジェの姿は、ムジュンさん自身と重なる。そんな彼に、現場での様子や手応え、日本での生活を通して感じていることなどを話してもらった。

日本語のセリフは口に出して覚える

――セリフのほとんどが日本語ですが、どのように覚えて話していますか?

日本語の発音をそのままハングルで書いてもらっています。たとえば、“アリガトウゴザイマス”だったら、その音をハングルで読めるように書いてもらうというやり方です。そして、それを自分の口に貼り付けるような感覚で何度も何度も言い続けるんです。とにかく時間をかけて口に出すことが暗記にはいいようなので、自然と口から出てくるようになるまで練習しています。

――覚えた日本語のなかで、好きだなと思う言葉や印象に残っているフレーズはありますか?

お芝居のなかの言葉ではないのですが…。日本に滞在して生活をしていると、スーパーマーケットやコンビニに行くことがよくありますよね。そこで日常的に使う、“生活をしていくための言葉”が印象に残っています。たとえば、「袋をください」とか「ハンバーガーを温めてください」とかですね(笑)。

感動や驚きのある日本での生活

――これまで日本で撮影をしてきて、「韓国と違うな」と感じた出来事や印象に残っているエピソードがあったら教えてください。

エキストラさんがたくさん入っての撮影があったときのことです。撮影時間が長かったので、みなさん疲れていたのではないかと思って、終了後に「おつかれさまでした」と声をかけさせてもらったんです。そうしたら、みなさん、僕の前に来て1人ずつ並んで「ありがとうございました。感謝しています」という応援のメッセージを送ってくださったんですね。もちろん韓国でも、撮影が終わったときに「おつかれさまでした」とあいさつはします。でも、あいさつをしてそのまま現場を後にすることが多いので、1人ひとりから応援の言葉をかけていただくことは初めての経験でした。だから、そのときはとてもうれしかったですね。僕はこの現場でもっとがんばらないといけないなと思うようになりました。

――日本で生活をしていくなかで「こんなところが韓国と違っておもしろいよ」と家族や友人に紹介したいと思うものなどとの出会いはありましたか?

紹介したいなというよりは、日本に来ることがあったら気をつけてねと言いたいことはあります。それは、東京の街は迷子になりそうだよということ。とにかく街を歩いている人が多くて道が複雑だなと思うんです。たとえば地下鉄だと、韓国だったら出口は2ヶ所ぐらいなんですが、日本の地下鉄の出口はもっともっと多いですよね。僕がよく使う大きなターミナル駅は、出口が50ヶ所ぐらいあると聞きました。すごいですよね! だから、出口を覚えるのが本当に難しくて。何度行っても毎回道を間違えてしまいます(笑)。

柔軟な対応で仕事をしやすくするのが僕のスタイル

――ミンジェが心酔している天城先生は、独自のスタイルを貫いています。それが天城先生の魅力ですが、ムジュンさんにも「変えられない自分のスタイル」はありますか?

チョコミント味が苦手なので、食べたくないということは変えられません。ハミガキ粉みたいな味がするのがどうしても受け入れられなくて(笑)。それと、シャワーを浴びるときは頭から、という順番も変えられませんね(笑)。

――ポリシー的なことで、「これは自分のスタイルだな」と思うことはありますか?

メンタル的なポリシーですか? そうですね、人に合わせることでしょうか。僕、1人でいるときは自分を甘やかしたりするんですよ。夜遅くにラーメンを食べると太ってしまうなと思っても、「どうしても食べたいから今日まではいいことにして、明日からダイエットしよう」と自分のなかでルールを決めます。でも、ほかの人と一緒のときは、自分のルールは一旦置いておいて、周りのみなさんに合わせるようにします。仕事を一緒にする相手はその時々で変わるので、柔軟にその場の空気や状況によって対応するのが僕のスタイルなのかもしれません。

さらにがんばるミンジェと自分を見守って

――『ブラックペアン シーズン2』を見てくださっている視聴者の方々へ、今後のミンジェにどう期待してほしいかなど、メッセージをお願いします。

これまで放送された回を自分でも見ていますが、まだまだ足りないなと思う部分があるのが悔しくて。だからこれからは、もっともっとミンジェの“いい姿”を見せたいですね。今後の見どころは、ミンジェが研修医としてがんばっていく姿と、僕自身の演技がどんどん上達していく姿です。日本での現場を楽しみながらがんばっていこうと思っていますので、これからも見守っていただけたらうれしいです。

■番組概要
[タイトル]
日曜劇場『ブラックペアン シーズン2』
[放送日時]
毎週日曜よる9時スタート

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